思いつきメモ

  • あるシステムの同一性とは、そのシステムの境界のことである。
  • システムの同一性が問題であるとは、境界維持が必然ではなく偶然であるということである。
  • システムの境界維持が偶然であるとは、境界を維持するための経験的な(したがって偶然的な)過程が存在するということである。
  • (1)システムの同一性が問題であること、(2)システムが自らの同一性(境界)を自ら維持(あるいは再生産)していること、(3)システムが自らの同一性(境界)を自ら定義していること、これら三つはそれぞれ別のことである。
  • 等価機能分析(比較指向機能主義)にとっては、(1)だけが必要である。あるタイプの説明指向機能主義(=存立要件理論)は(2)を必要とする。機能主義的発想にとって、(3)はいかなる意味で必要といえるか。
  • 説明から比較へ、という方法論的移行は、目標設定の軽減である。目標設定が強いと、理論への要請(依存度)も強い。目標設定が弱いと、理論への要請(依存度)も弱い。
  • ルーマンは方法論上の目標設定を弱めつつ、システム理論の性能(存在論上の仮定)を極端に高めようとしている。両者の方向性は矛盾している。これはルーマン学説研究がまず第一に解くべき謎である。