『死刑執行』
- 作者: 朝日新聞死刑制度取材班
- 出版社/メーカー: 朝日新聞
- 発売日: 1993/10
- メディア: ハードカバー
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- 序章 「執行再開」
- I章 「死刑執行の周辺」
- II章 「死刑廃止条約の周辺」
執行猶予付き死刑は中国独特の制度で、2年間「労働改造」(懲役と同時に政治思想教育をする)し、その効果を見る措置。悔い改めれば、無期、あるいは15年以上20年以下の懲役に減刑される。(p. 86)
へー、そんな制度が。(今もそうかどうかは知りませんが。)
- III章 「廃止運動の潮流」
死刑の是非を論じるのに誤判可能性を出してくるのは混乱のもとだと思った。国家権力の行使として死刑という刑罰があってよいかどうかということは、それが誤って行使される可能性をどうするかということとは独立に、それに先行して論じられるべきことだから。自分の意見としては、死刑の是非はよくわからない。ただいろんな刑罰の中で死刑だけが特別とは思わない。まあもうちょっと勉強しないと。
- 別の記事のコメント欄にてたかしたんの曰く、
死刑の冤罪は取り返しがつかない度合いが大きいので、批判の中に入ることはわかる。特に有色人種への誤審が多い(と想定される)一方で、じゃんじゃか死刑になるアメリカ(テキサス州とか)なんかだと、それなりにリアリティがあるなじゃないかなぁ。
他の制度を変えずに今死刑の存廃を決定せよ、といわれたらそうなるでしょうね。ただ冤罪誤審は基本的には判決確定まで、あるいは確定後の再審の手続の問題であるわけで、死刑という刑罰そのものの是非を判断する際には、そういうのをコントロールする必要があると思うわけです。つまり、死に値する罪があり、ある人がその罪を犯したということは前提に、その人を国家権力が殺すべきか否かをまず判断しないといかんだろうと。あと「取り返しのつかなさ」はどうなんですかね。死刑が他の刑罰や逮捕されて刑事裁判の過程に入ることに較べて特段に取り返しがつかないとは思わないのですが(それくらい他の国家権力行使もまた取り返しのつかないことをやってくれるわけです)。
- IV章 「死刑とマスコミ」