十代のセックスは必ずしも成績に悪影響なし





Associated Pressより。

十代のセックスは必ずしも成績に悪影響なし

10代の青少年の性生活が成績に影響しているのではないかと心配の親御さんに朗報だ。最近の研究によると、性関係に及んでいるかいないかと、学校の成績の良し悪しは関係ないというのだ。
ただし、決まった相手以外とも、となると話は別だ。研究の結果によると、決まった相手でなくてもセックスをする生徒は、そうでない生徒に較べて成績が低く、学校での問題も多く抱えているという。
今回の知見はこの日曜日、米国社会学会のミーティングで報告されたものだが、性的に活発な青少年は成績が悪いという定説に対して一定の疑問を投げかける。
研究によると、成績の良し悪しを決めるのはセックスをしているかいないかではなく、そこで取り結んでいる性関係のタイプなのだという。真剣な交際をしていると、セックスの相手から社会的、感情的な支えが得られるということがあり、生活や学校での不安やストレスの水準が下がるというわけだ。
「十代の息子さんや娘さんがデートをしているのを心配に思っている親御さんは、とりあえずこの結果を見て落ち着かれるのがよいと思います」とはボウリング・グリーン州立大学の社会学者ペギー・ジョルダーノだ(ただし彼女自身はこの研究には関わっていない)。十代でセックスしたからといって「教育のレールから外れるということはない」という。
この夏に公開された昨年の全国調査では、高校生のほぼ半数が、現在性的な関係を持っていると答えている。そして4人以上の相手がいる高校生は14%にのぼる。
今回の研究にあたって、カリフォルニア大学デイヴィス校の社会学者ビル・マッカーシーミネソタ大学の社会学者エリック・グロスキーは、1994年度から続く最大規模の全国追跡調査から、調査票と成績表を分析した。
両名は、青少年の性行動が学習に対してどのような影響を与えるかを、ありうる要因をコントロールしつつ検討した。
以下は、そこから得られた知見の一部である。

  • 真剣な交際をしている者は、セックス自体をしていない者と較べて、GPA(評点平均)や学校への愛着心、大学への進学意欲において変わりはない。学校で問題を起こしやすいとか、停学になりやすいとか、欠席が多くなりやすいといったこともない。
  • セックス未体験の者に較べると、決まった相手以外ともセックスをする者はGPAが低く、学校に対する関心が低く、校内で多くの問題を起こしている。例えば十代女子で行きずりのセックスをする者は、セックス未体験者に較べて、GPAが0.16低い。十代男子だと、その差は0.30になる。行きずりのセックスをする者は停学や退学になるリスクが高く、大学進学の見込みが小さい。
  • 決まった相手とだけか、それ以外ともかにかかわらず、セックスをする者は、セックスをしない者に較べて、不登校になったり自主退学するリスクが高い。ただ自主退学は数が少ないので、慎重な解釈が必要だという。

「恋愛関係の外でのセックスは、若者が経験するストレスを悪化させ、それが学校での問題行動につながっているのだろう」とグロスキーはいう。
家族研究協議会は声明の中で、この研究は、同協議会が長年にわたり、特定の相手以外とのセックスがもたらす負の影響について主張してきたことを再度確認するものだと述べる。
他方で、「「決まった相手との」性関係が生徒に及ぼす教育上の悪影響が小さいからといって、だから包括的な性教育を進めるべきだということにはならない」ともいう。
南カリフォルニア大学社会学者ジュリー・オルブライトはこれには反対の意見だ。今回の結果が発表されたことは、「関係の重要性を強調し、行きずりのセックスが招く結果をきちんと教える」ように性教育を改革するいいきっかけになると。
今回の研究が、十代のセックスはすべて悪いとする考え方を消散させた、というのはオレゴン州立大学の公衆衛生学のマリー・ハーヴィ教授だ。
「本当に大切なのは取り結ぶ関係のタイプだ。性行動はひとりではできないのだから。」ハーヴィはさらに、十代の妊娠と性感染症を予防するためにセーフセックスを推奨している。

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Legacies of Crime: A Follow-Up Of The Children Of Highly Delinquent Girls And Boys (Cambridge Studies in Criminology)

  • Peggy C. Giordano, Legacies of Crime: A Follow-Up of the Children of Highly Delinquent Girls and Boys, Cambridge University Press, 2010
    • Legacies of Crime explores the lives of seriously delinquent girls and boys in the United States who were followed over a twenty-year period as they grew to adulthood. In-depth interviews with these women and men and their children - a majority now adolescents themselves  depict the adults' economic and social disadvantages and continued criminal involvement, and in turn the unique vulnerabilities of their children. Giordano identifies family dynamics that foster the intergenerational transmission of crime, violence, and drug abuse, rejecting the notion that such continuities are based solely on genetic similarities or even lax, inconsistent parenting. The author breaks new ground in directly exploring  and in the process revising  the basic tenets of classic social learning theories, and confronting the complications associated with the parent's gender. Legacies of Crime also identifies factors associated with resilience in the face of what is often a formidable package of risks favoring intergenerational continuity.