Neil Jordan監督『Interview with the Vampire』 (邦題:インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア)

インタビュー・ウィズ・ヴァンパイア [Blu-ray]

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ヴァンパイアものというのは基本的に――ほとんど必然的に――不変と変化の対照を主題とすることになる。この映画もそうだ。前半は、 Brad Pitt と Tom Cruise の同性愛的(BL的)関係を隠喩的に描くが、中盤は、新たに「娘」となった Claudia を中心に話が進む。
Claudia は、12歳でヴァンパイアになってしまったために、それ以上成長することができない。不老不死というのは、子供にとってはそういう意味でもあるわけだ。 Claudia は、大人の女の体に憧れるが、その望みは叶うことなく、ずっと少女のまま、人形に囲まれ、本人もお人形さんのような格好をし続けることになる。そのストレスが、 Tom Cruise の Lestat に悲劇的な運命を用意し、そのことが彼女自身にも過酷な結末をもたらしてしまうわけだが・・・
それはともかく、劇中の Claudia は成長しないが、演じている Kirsten Dunst は成長する。そしてもちろん、『Spider-Man』のヒロインも演じる。あの、永遠にお人形みたいな少女として生き続けなければならなかった彼女が、あんな可愛らしかった少女が・・・ immortal も悲劇だが、 mortal も過酷だということなのか(意味の分からない人はgoogle:スパイダーマン ヒロインをどうぞ)。
まあその、しかし Kirsten Dunst の演技は素晴らしかった。後半の、劇中劇のあたりも雰囲気出ててよかったし、全体にいい映画だと思う。