Tim Burton監督『Beetlejuice』 (邦題:ビートルジュース)

ビートルジュース 20周年記念版 [Blu-ray]

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おもしろくもなんともない。特殊効果も、ただちゃちなだけという感じしかしない。この20年でどれだけ映画界が進歩したかがよくわかる。そして、いまこの時代に生きていることを幸せに思う。
ストーリーなどはないに等しく、登場人物の誰にも感情移入できない。空中浮遊のところは吊り下げられているようにしか見えなくて、ラストの、 Winona Ryder が浮遊しながらダンス(らしきもの)をしているところなんて、罰ゲームだろあれ、とかわいそうになって涙・・・は出なかったが。
Ryderはゴスっ娘なのだが、映画の最後では普通の格好に戻っている。ところが、一連の騒動の中で何が決め手となり、どういう成長をしたことで、ゴスを卒業できたのかがさっぱりわからない。とってつけた感がはげしく大。
思うに、最初から最後まで、何かが取り返しの付かない形で失われる、という契機が存在しないために、おふざけの中にも一抹の恐怖、という悪夢的映画のあるべき姿に到達できていないのだろうと思う。 Maitland 夫妻なんて、実体感がありすぎてこの人たちが死人だということを途中で忘れそうになる(いやそういうモチーフのギャグだというのはわかるのだが)。
この映画で、下品で小汚い Betelgeuse を演じた Michael Keaton が、翌年には同じ Tim Burton 監督で Batman すなわち Bruce Wayne を演じるというのは、これはちょっと面白いけど。