The Brothers Strause監督『Aliens vs. Predator: Requiem』 (邦題:AVP2 エイリアンズVS.プレデター)

前作『Alien vs. Predator』は、たいして面白くはないが、それなりにちゃんとしていたので、それなりに楽しめる作品だったことが、この続編を観てしみじみわかった。
くだらないけど面白いというのがよいB級の条件だと思うが、本作はくだらなくてつまらない、というか何が何だかわからない。ただ、ダメな映画を観ると、普通の映画がなんとか普通の水準に到達するためにどんな技術を使いどんな工夫をしているのかが、反面教師的に明らかになってくるので勉強にはなる。この映画の場合、電気代けちってんじゃねえよといいたくなるくらい、画面が暗い。
おそらく作り手は、暗い中でAlienの粘液が白くメタリックに光るのがいい、と思ってこうしたんだと思うのだが、激しいアクションのところも含めて前編それなので、はっきり言って何が行われているのかさっぱりわからない。Wikipediaで設定を見ると、冒頭でPredatorに寄生していたAlienが、両者の混合体であるPredalienとして生まれていて、それが大ボスだったらしいのだが、どのへんが混合体なのか、というか、どの個体がPredalienなのかすらわからない。もっとライトあてろこの馬鹿が。あと、「Alienの体液を浴びたら体が溶ける」という設定が、(前半では生きているのに)後半では忘れ去られていて萎える。
最後は、すでにだいぶ前から「お約束」ですらなくなっているはずの、米軍による自国内核爆撃で、いわゆるひとつのバタリアンだ。でも、そんな街一つフッ飛ばさないといけないほどの数がいたようには見えないんだけど・・・。
生き残る主人公は兄弟で、監督も兄弟なんだが、もしかして兄弟愛的なテーマが込められていたりするんだろうか。・・・気持ち悪い。願わくは、最後の核爆発の中に監督たちも含まれていればいいのに。