Sam Raimi監督『Spider-Man』 (邦題:スパイダーマン)

単品のBlu-rayはないのか。
いまさらKirsten Dunstのことはとやかく言わないことにしたい(ただ、初めて見たとき天使かと・・・のくだりはちょっとわろてしもたが)。他方で、役の Mary Jane の男の趣味は一貫性がなくて取っ換え引っ換え的な印象を受ける。高校時代は体育会系いじめっ子、卒業したら金持ち、それから全身タイツ蜘蛛男、で、最後が文化系男子の Peter Parker。 Peter に対する気持ちには、蜘蛛男の正体だという予感が入っているのかいないのか。
Tobey Maguire は、暗黒面に落ちそうな、妄想過剰文化系男子の感じが出てて大変良かった。好きな女子が他の男といちゃつくのを「見てるだけ」というのが最高。
しかし他方で、蜘蛛力を得たあとの調子の乗り方がちょっと非現実的。指の腹から剛毛が生えてきて、その摩擦で壁を登るわけだが、普通自分の手がそんなことになったら結構つらいと思うのだけど。彼女の体を触ったりすることもできなくなるわけで。
一番駄目だったのが、壁を登るときに、体重が表現できていないこと。いくら手に剛毛が生えて壁に引っかかるようになったとしても、体重が軽くなるわけではないのであって、そこはずしりとした感じがないと。軽々と登るのでは駄目だろう。で、ある程度登ったところで、どのくらい高いところまで来たかなーと、下を見る。ここで、生まれて初めて、何の支えもなく壁を登った人間としては、その高さに足がすくむというのが普通だろう。ところが Peter くんは「わっしょーい」と大喜びで、次のシーンからは、ビルからビルへと飛び移りまくりなのである。あほ丸出しである。
あほ丸出しといえば悪役の Willem Dafoe であり、あれでは完全にTVのヒーロー物の怪人である。かつてはキリスト役を演じた人なのに。
でも、さすが Sam Raimi ということなのか、観ててつまらないということはなかった。続編も未見なので、そっちに期待。