Richard Donner監督『Superman』
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2008/06/11
- メディア: Blu-ray
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あと、最後の、地球の外に出て、自転と逆の方向に超スピードで飛ぶことで、地球を逆回転させ、時間を戻す、というアレなシーンだが、「時間を戻す」のところはまあいいとして、スーパーマンが飛ぶことで地球の回転が変化するということは、つまり空気との摩擦でひっぱるということだと思うのだが、これは、まずスーパーマンが空気を引っ張り、地表のすべての空気がものすごい勢いで自転と逆の方向に動き、空気と地表の間の摩擦で地球が引っ張られて回転が逆になる、という順番のはずであり、つまり、地上ではカタストロフ的な暴風で文明は壊滅しているはずである。あと、まだ大気圏内なのだとしても、地表の方が空気が濃いから、上に出ない方がよかったのではないかと思う。というか、地上の一部を持って押した方がいい気が。それなら、暴風は吹かないだろう。ただ、いずれにしてもおそらく慣性力で文明は壊滅しているだろうけど。
まあそれはあれとして、時間を戻すといっても、ヒロインのLoisが死ぬ前までしか戻さないというのは、人類の歴史に介入してはならない、という教えをぎりぎりまでは守ろうというスーパーマンの奥ゆかしさを示していて・・・いるのかなんなのかよくわからんけど、西海岸に、大規模な地割れを発生させるほどの核爆発が起こっているわけだが(それによって結構な人数死んでいるのだろうが)、それについての言及が時間を戻したあとだとなくなってしまうというのは、これ、どうなのか。
そして、この時間戻しが禁忌破りである、という点の強調によって忘れられがちだが、「人類の歴史に介入する」というのは、なにも、「すでに起こったことを別の形でやり直す」ということだけに限られないのであって、「スーパーマンがいなかったら起こったであろうことを起こらなくする」ということだって介入である。つまり、スーパーマンが生きているだけで、歴史への介入はなされているわけだ。Loisはヘリコプターの事故で死んでいるはずだし、Clark Kentが入社したことでDaily Planetに就職できなかった人が一人発生しているはずだし、Lex Luthorの悪巧みは成功していたはずなのだ。善行なら介入ではない、ということにはならない。