Ridley Scott監督『Black Rain』(邦題:ブラック・レイン)

松田優作が子分を連れてニューヨークのレストランに登場。ヤッパを取り出すと、食事をしていた日本人ヤクザの一人を刺し殺し、もう一人の首を掻き切る。逃走時に子分がマシンガンを乱射、無関係な客が少なくとも一人死ぬ。ものすごい凶悪犯である。
にもかかわらず、米国で裁判も受けることなく、日本に強制送還、日本の警察に引き渡しである。しかも普通の旅客機で、かつ付き添いは刑事が二人だけ。おい、ちゃんとせえよNYPD。
大阪に着陸すると、機内で偽警官が松田優作を連れていってしまう。直後に本物が現れるものの、偽警官を追いかけることもしない。なにやっとんねん大阪府警
高倉健の助けを借りつつ、日本で独自に捜査をしてみる米国刑事二人だが、ある夜、一人(Andy Garcia)が襲われて、松田優作率いるバイクメンに嬲られた挙句、首チョンパ。国際問題に発展しそうな大事件だが、府警は特に捜査する素振りも見せず、残った一人(Michael Douglas)を送還するだけ。
勝手な行動(射殺含む)をとって停職になった高倉健だが、Douglasに協力して親分衆の会合に武装して突入。マシンガンで殺しまくる。繰り返すが停職中である。
得意のバイクと格闘で競り勝ったDouglasは、優作を逮捕。今まで敵対していた府警の本部長の前に突き出す。シーンが変わると、Douglasと健さんがなんと本部長から表彰されている。「Congratulations!」じゃねえよ。どうなってんだ大阪の法秩序は。
最後、Douglasが日本を発つ空港のシーンで、サムライトルーパーのおもちゃをお土産にしているのが見える(これはBlu-rayの良いところ)。「サムライ」的要素が米国の子供にうけるということなのだろうが、「ヤオイ」的要素の方だったらいやだなあ。