沖浦啓之監督『人狼 JIN-ROH』

人狼 JIN-ROH [Blu-ray]

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つまんねー! また意識が飛んでしまった。
なんつーか、「首都圏治安警察機構」みたいな、漢語が連続してできる組織名とかすきだよねー。こういうのって、字面でみないとイメージが浮かばないんだけど、この映画では全部セリフなんで、組織間対立の構図とかもよくわからんのですよ。
しかも、設定から話の展開からネタばらしまで、全部セリフによる説明。説明セリフというのは、その目的としては観客に向けられているのだが、作中では、もちろん別の登場人物に向けて発せられるものだ。登場人物同士は、いま自分たちがしゃべっている組織の性質とか対立構造とかについて知悉してるはずなのだが、しかしセリフの目的は観客向けの説明であるために、きわめて不自然な程度に、口調にスピード感がないし、不自然な形で内容が丁寧。
こういうのは、漫画のフキダシなら「あり」な演出だと思うが、リニアな構造(つまり尺があって、何をするにも時間がかかる)をもった映画には全然向いていない。
それから、全体のモチーフになっている、残酷ヴァージョンの『赤ずきん』についても、いまどきそれかよ、という気恥しさが。
それより何より、声優の質が低い。特にヒロインの声が幼稚すぎて気持ち悪い。そんな声で「何度も修羅場をくぐっているテロリスト」とか言われてもなあ。