Stefen Fangmeier監督『Eragon』(邦題:エラゴン 遺志を継ぐ者)

2006年の米国映画。一昨日、少年が怪物の卵を拾ってくる映画を観て、昨日は、なんとかライダーの映画を観たわけだが、今日のはその両者を合わせたような話だった。
さて。知らずに観たけど、シリーズ物の原作ありと知っていろいろと納得。要するに、シリーズ物といえども、一本の映画にするにはそれなりの手を入れないといけない、という基本を監督が理解していないということだろう。
このことは特に、不要なキャラクターが多すぎる、という点に表れている。
たとえば主人公Eragonの甥のRoranというのがいるが、これが、物語のかなり早い段階で徴兵逃れの旅に出る。もちろん観客としては、物語後半でなんか関ってくるんだろうなと期待するが、なんとそのまま二度と出てこない。
あるいは、中盤から登場するMurtaghというイケメン。謎の人物として一瞬だけ登場し、その後、主人公の苦境を救う。終盤で、実は悪者の息子だという出生の秘密が明かされるが、その困難な状況も、特に展開されることなし。
つまりどちらも、「原作に出てたからwww」という以外に登場の理由がない(物語内の必然性がない)のである。
そもそもドラゴンライダーの名前がエラゴンていう不自然さについて、果たして物語世界の中では比較的一般的な名前なのか、エラゴンてwwwみたいな変な名前なのかについても何の言及もないというのも、いかがなものかと思う。
あと、ドラゴンとライダーはテレパシーで会話できるため、ライダーもドラゴンも口を動かさないでアフレコで会話する。これはほんとにダサいからやめてほしい。というか、ドラゴンがなんか優しそうな女性の声でしゃべるというのが気持ち悪い。気持ち悪いでいうと、このドラゴンは目が前についていて、なんか人間みたいな顔をしていて、人面なんとかみたいな感じがしてしまう。
というわけで、続編はあるのかないのか知らないが、つくらない方がみんなのためだろう。