ニール・ジョーダン監督『ブレイヴ・ワン』

ブレイブ ワン [Blu-ray]

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悪い奴らは許せない! 法で裁けない悪人を、鋭い牙で噛み殺す! 勇敢なワンちゃんが画面いっぱい、縦横無尽の大活躍!!!! という映画だったらよかったのに・・・
結婚間近の恋人と二人のところをチンピラヒスパニックに襲撃されて、恋人は死亡、自分は三週間の昏睡。それほどの重傷を負いながら、びっこの一つも引くことなく、跡形もなく回復するエリカ様(ジョディ・フォスター)の生命力に感服。とはいえ精神的ショックは残り、不安対策として自衛のために不法にピストルを購入。ところがコンビニで強盗殺人に遭遇し、自衛のために犯人を撃ち殺してしまう。そのあとは、まさしく「調子に乗って」という感じで、悪そうな奴はどんどん殺していく。
というように、明らかに精神の不調による異常行動をとっているエリカ様。売春婦を助けたところとか、男を射殺したばっかりに、女の方が車に轢かれて重傷を負っているし。観てる側としては、これは誰かが止めてあげることが、刑事罰をくらうにしても、彼女にとって救済になるだろうと期待する。そういえばずいぶん身なりの正しい刑事が出てきてるから、こいつが救うんだな、と思っていたら、なんと最後にどんでん返し。拳銃渡して「これで殺れ」だもんなあ。その場は良いとしても、彼女はその後も私刑を繰り返さざるを得ないだろう。そうか、刑事は、自分では罰することができない悪人を、今後も彼女を使って葬っていこうという魂胆なんだな、なるほど。