イーライ・ロス監督『ホステル』

意外にも、残酷描写はそれほどでもなかった。
物足りなさは、「あそこであんなことしなければこんなことにはならなかったのに・・・」という後悔含みの絶望感が描けていないことで、そのためには「誤った選択」のシーンがなければならないが、この話の場合、それは要するに「セックスとドラッグ」なのだが、物語は冒頭のアムステルダムのシーンからすでに選択が終わっている状態でスタートしているのが問題。
旅先だからという油断で、ついつい本来ならしないはずの選択をしてしまった、というのがほしかったのに、主人公たちがやっているのはそもそもそれが目的の旅行なので。