クリント・イーストウッド監督『父親たちの星条旗』

父親たちの星条旗 [Blu-ray]

父親たちの星条旗 [Blu-ray]

手足が吹き飛び、首がちぎれ、内臓が溢れ出す。避ける間もなく機関銃で穴だらけになる。戦闘シーンはものすごい迫力で圧巻。偽の英雄をまつりあげるプロパガンダを告発するプロットと連動して、いかに戦争英雄映画というものが、デフォルメされ抽象化された戦闘シーンによって成り立っていたのかということに気づかされる。
(その抽象性は、「英雄」3人が旗立ての再現を求められる擂鉢山の模型に表されているし、そうしたことがいかにdisgustingかはアイラの身体を通じて表されている。)
浅薄な「愛国」の欺瞞を暴くことで真の「愛国」を取り戻す。米国にはそういう、ある程度複雑な議論を受け入れるだけの知的な文脈があるのだなと再確認できる。それに較べて日本はなあ・・・