武田邦彦『環境問題はなぜウソがまかり通るのか』

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

環境問題はなぜウソがまかり通るのか (Yosensha Paperbacks)

なんか、データの信憑性が云々という水準の話じゃないんですね。

この図(p. 13)を見ると、消費量と回収量が平行線で増加している。さて、2本の直線が平行であるということはどういうことかというと――こんなことは小学生でもわかると思うが――差が一定ということだ。つまり回収の努力にもかかわらず、回収できないペットボトルがつねに一定数存在するということを意味している。回収する方により肯定的な表現を使えば、急激な消費量〈増加〉に回収がちゃんと対応している、ということになるだろう。
ところが武田は、この図から、分別回収が始まったことによって消費量が増えた、などとわけのわからないことを言い出す。

それから、「分別回収量が増える」につれて「販売量もウナギ登りに増える」結果となった。図表1-1からも、ペットボトルの分別回収が進むと販売量、つまり消費量が増えたことがわかる。これが「平行線」の意味である。(p. 13)

な に を い っ て い る ん だ こ の 人 は
この人はどうも、ペットボトルの消費量は、分別回収をするかしないかだけで決まると思っているようだ。すごい理論ですね。
一番最初のところでこんなわけのわからん話が出てきたので、あとは真面目に読む気が失せた。最後の方は結局、「昔の日本人は良かった」論に落ち着いているし。