学生のメール作法

前々からなんとなくは知っていたが、この夏学期に演習をもち、学生と結構メールのやり取りをして実際に体験した。
少なくとも大学1年生は、まともなメールの書き方、作法を知らないし、もしかしたら作法があるということも知らないし、不作法なメールにある種の不快感を感じる相手が存在していることも知らない。
もう各所で愚痴りつくされていることかとは思うが、一応書いておくと、

  • 件名を書かない
  • 名乗らない(送信者名も設定されていないのでアドレスが表示されているだけ)
  • 件名で名乗る(用件不明)
  • 宛名なし
  • 唐突な一行レス(特に携帯)
  • 無改行(特に携帯)

もっとあるかもしれないが、まあこれくらいで。
で、これは別に愚痴りたいとか非難したいわけではない。現状の確認と対策を考えたい。
自分の高校時代にはメールなんてものはなかった。パソコンやインターネットや携帯が普及した現在、高校までにどんなIT教育がおこなわれているのか知らないが、とりあえずメール作法は教えられていないようだ。なので大学で教えないといけない。大学の情報関係の講義で教えているのかどうかも知らないが、1年生の夏学期が終わった時点で身につけている人は(自分のまわりに)いないのでまともな教育はなされていないと思う。
さてメール作法というのは、年長者は身につけているが若年者は身につけていない、といったものでもない。年長者でまともなメールを(というかメール自体)書けない人というのもかなりいる。大学教員は、自分のようななりたてから定年間近まで、30数歳の幅がある。一人の学生がメールをやり取りするほど密なコミュニケイションをとる教員の数は卒業までそう多くはないため、メール作法を身につけていない教員としかやり取りしない学生というのも結構いるだろう。メール作法の存在すら知らないまま就職する人もいるんだろう。
というわけで、今後は、(主に演習を通じてになると思うが)メールの書き方も指導するつもり。レジュメについては、書き方を指導すればかなりまともなレジュメが上がってきたので、不足しているのはまともな指導なのだと思う。夏学期は、いい加減なメールが来ても特に指摘しなかったため、学生に「これでいいんだ」と思わせてしまったと後悔している。