竹内薫『99.9%は仮説――思いこみで判断しないための考え方』

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

99・9%は仮説 思いこみで判断しないための考え方 (光文社新書)

仮説とか相対という言葉を安易に使いすぎだなあ。
すべては仮説だ、と指摘して読者の目を覚ます!という程度の低い啓蒙主義を目標にしているのが失敗の原因。むしろ、すべてを仮説としてみなすことでなりたつ科学という営みの特徴を、他の活動と区別して論じた方が面白かったと思う。
あと、著者が言及していないことで重要と思うのは、なんといっても「定義」だろう。「なぜ飛行機が飛ぶのか」という問いにしても、その「飛ぶ」がどういう意味なのかわからないと答えようがない。「打球が飛ぶ」の「飛ぶ」とは違うだろう。