レポート共有サービスの件

katsumushiさんとこで知る。

http://www.happycampus.co.jp/public/best_sellers/

結構売れている。便利な世の中になった。

こういうの憂う人もいるようだが、明らかに進歩。

これに対応して必要なのは、教員の側で、丸写しをチェックする能力の獲得と、成績評価基準の引き上げだろう。昔のような、とにかく何か書いて出しとけば単位はあげます、みたいなのはもう通らない。

オリジナリティや新しさを求めて出鱈目を書かせるよりも、平凡だが「間違えない」訓練をする方がはるかに大切だ。「正しく考える」ことができない相手に「自分で考える」ことを勧める風潮が、人文社会系には特にあって、私としてはそっちの方が憂うべき事態だと思う。

高校と大学の違いを「正解の有無」という人がいるが、全然違う。正解がない学問なんてない。高校と大学の最大の違いは「間違いの許容/不許容」だ。定期試験で大半間違えたって高校は卒業できるし、入試で半分近く間違えたって東大に入れる。高校生には、「間違えない」ことが期待されていない。

他方、大学生には「間違えない」ことが期待される。大学を卒業するには普通卒論が必要だ。論文というのは、理想としては必要なことしか書いてはいけないので、一つ間違えると全部間違える。つまり間違えてはいけない。大学での学修のクライマックスが卒論にあるとするなら、それまでのすべてのレポートは、この「間違えない」ための訓練だと考えるべきだろう。もちろん論文であるからには独創性・新しさが求められるのは当然だが、そこに集中できるための前提として、やはり間違えないことが当たり前になっていなければならない。

そう考えるとどうしても冒頭のようなサービスは進歩である。丸写しをチェックするには、電子ファイルで提出させてデータベースにしておけばいい。あれっと思ったら検索してすぐチェックできる。(少なくとも自分の授業については。)