斜に構える、穿った見方

 「斜に構える」が、本来、相手に向かって剣を構える様子から「物事に正面から取り組む」という意味であることは数年前から知っているのだが、その本来の意味での用例を見たことがない。
 「穿った見方」というのも、「穿つ」というのは穴をあけるという意味であって、隠された真実を見抜いているという褒め言葉であるはずなのだが、こちらもその用例をあまり見ない(「うーん、それはなかなか穿った見識だぞ」みたいなのを非常に時たま見かけるが)。
 結局、誤用しないと通じないので、使わないようにしている。
 他方、「流れに棹差す」は、(「流れに逆らう」の意味で使う)誤用を見かけたら咎め、自分でも正しい用法で結構使っている。これにはまだ用法の規範性が残っていると感じているからだと思う。境目はどの辺だろう。