自決強制を目撃?

毎日の記事。
沖縄:教科書検定、国と溝 「自決強制」目撃の女性に怒り
 この件よく知らないのであれなのだが、この記事だけを見る限りでは変な記事といわざるをえない。まずタイトルが変だ。「「自決強制」目撃の女性に怒り」って、この女性が怒られているみたいだ。
 さらに、この記事を読んでも、「自決強制」を目撃したとはどこにも書いていない。
 日本軍が悪いことをしているのは次の箇所だけ。

さらに次の日、一人の沖縄の青年が、隠れている住民に呼びかけた。「アメリカの捕虜になったほうがいい。みんなで出て行こう」
 すると2人の日本兵が走り寄り「こんなバカがいるから沖縄は負けるんだ」と言い放つや、日本刀で青年の首を切った。

これはひどい話ではあるが、殺人であって「自決強制」ではない。結局この女性と一緒に隠れていた人たちは、自決をしていない。日本兵は米軍への投降を勧めている。

別の日本兵が「日本は負けた。民間人は出て行ったほうがいい」と言ってくれた。当時、「米軍に捕まると、女は強姦され、男は戦車でひき殺される」と言われていた。「この日本兵は命の恩人です」。だがおじ、おばらたくさんの親族を亡くした。

「だがおじ、おばらたくさんの親族を亡くした」というが、みな米軍の攻撃で死んだのである。
 結局、冒頭に書いてある「日本軍がいなければ自決なんかしませんよ」という言葉がすべてであるが、この女性の「沖縄守備軍が現地で召集した防衛隊から逃げてきたおじ」は、「アメリカーにやられるより、自分で死んだ方がまし」と言って自決しようとしたのをたしなめられて思いとどまっている。もちろん日本軍がいなければ米軍と戦争だってしていないのだから、自決だってしなかっただろう。しかし「自決強制」というのはその水準でのことをいっているのだろうか。どうもいろんな面でひどい記事だと思った。

追記

朝日も似たような印象操作記事を書いている。
62年前に見た集団自決の現場 「軍曹が命じた」
 集団自決の現場を見たのは吉川さんという人なのだが、「軍曹が命じた」というのはこの人の発言ではない。安仁屋政昭という人が富山真順という人から聞いたという話で、この記事のメインである集団自決体験談とは直接関係ない。別の話でも一つの記事に組み込めば見出しに並べられると。これが朝日クオリティ・・・。