絶版書籍、ネット閲覧可能に

絶版書籍、ネット閲覧可能に・政府が著作権法改正へ

 政府は絶版になった出版物をインターネットで閲覧できるようにするため著作権法を改正する方針を固めた。国立国会図書館などの公的機関が専門書を非営利目的で公開する事例などを想定している。著作権者に一定の補償金を支払えば許諾がなくても文書をネットに保存・公開できる仕組みを検討する。入手困難な出版物を利用しやすくし、研究活動の促進などにつなげる狙いだ。
 政府の知的財産戦略本部(本部長・安倍晋三首相)が今夏に策定する「知的財産推進計画2007」にこうした方針を盛り込む。知財本部は2008年の通常国会での著作権法改正案の提出をめざし、文部科学省などとの調整に入る。(16:01)
http://www.nikkei.co.jp/news/seiji/20070105AT3S0300305012007.html

これはたいへんによいですね。というかこの方法での公開が円滑に進むなら、研究書は買わないで絶版になるのを待つのが合理的。そうなるとただでさえ売れない研究書がさらに売れなくなって、もはや出版する動機とか理由がなくなると思われる。もともと研究書の著者は印税で生活しているわけではないので出版への動機づけは低い。また自分の研究成果が高い定価のせいできわめて少数の人間にしか読まれないよりは、無料で多くの読者に恵まれる方を望むはず。ということは著者にとっても読者にとっても、出版→絶版→ネット公開という段階を踏むよりは、最初からネット公開する方が合理的。わざわざ出版するのは、たとえばこのブログ全盛の時代に、自分の日記をある程度書き溜めてから自費出版するようなものになるかもしれない。困るのは研究書専門の出版社だろうなあ。