岡本英嗣『アメリカ経営学の再吟味』

アメリカ経営学の再吟味―効率化と「人の存在」

アメリカ経営学の再吟味―効率化と「人の存在」

  • 序章 問題意識と研究目的

「日本企業」を「平均的な」企業とするのはいいにしても、平均的=「上場企業で日常の新聞やテレビで話題になる」というのはどうなのか(著者の主な情報源が日経新聞だからかもしれない)。あと本書の最主要概念である「人の存在」が「組織における、ヒト(作業員、従業員等を指す)の扱われている状態」というのは、(まあ言葉遣いは著者の自由だとしても)わかりにくすぎる。さらに著者が批判する「経済的要素の効率化」に「ヒトをモノに見立て、安易にコスト削減の対象とすること」など、それこそ安易な評価的形容がなされていて、後論への不安を禁じえない。

生産性=(産出高/投入高)×ヒトの能力・技能

「×」言うな! というか、これだと産出高がどんなに低くても、従業員の能力が高ければ生産性も高いっていう話になるが、いいんですか。企業は能力の高い人をたくさん集めるだけで、あとは仕事をしなくても生産性が上がるから楽勝ですね。

この辺まで読んで、校正を一回もしていないに違いないと確信した。誤字脱字多すぎ。

  • 第3章 科学的管理論
  • 第4章 管理過程論