参照間違いの指摘

Politische Planung. Aufsaetze zur Soziologie von Politik und Verwaltung

Politische Planung. Aufsaetze zur Soziologie von Politik und Verwaltung

ルーマン先生は時々参照文献のページ数を間違えますので、気づくごとに指摘していきたいと思います。まず、先週めでたく終わった「目的・支配・システム」(1964)ですが、終わり近くの73段落(p. 107)で、「Weberは彼の方法上、事象上の出発点の結果として、均衡の問題についてまったく理解を示さなかった」と述べたところの註58で、「この点についてはParsonsも注目している」といって、ヴェーバー英訳のパーソンズの訳者序論の12頁を参照していますが、これは間違いで、正解は15頁の次の箇所だと思います。パーソンズ先生曰く、

理想型を用いることで、注意は極端な類型に集中してしまう。その種の類型が適合する全体システムというのは、事柄の本性上、近似形としてすら現実にはありえないような極限的なシステム類型とならざるをえない。その結果、諸力の均衡としてのシステムとか、ある程度統合しているがある程度解体しているといった考え方は省みられなくなる。(p. 15)

とのことです。
 もう一つ、34段落の註22で、「Weberが官僚制指向と専門職指向の違いに気づいておらず、そのことが重大な意味を持っていることを最初に発見し、これを強調したのはParsonsであった。」と述べて上記訳者序論の52−53頁を参照していますが、これもおそらく、54−55頁の間違い。

このように職業役割よりも経済活動を強調するWeberの態度は、おそらくこの分野で彼が顕著に示している盲点、すなわち近代的職業の構造特性を析出していないこと、また専門職サーヴィスの組織と、職業構造類型の「行政的ハイアラーキ」とでも呼ぶべきものを区別していないことの一つの理由である。彼の「官僚制」はこの両者の混合物になっている。(p. 54)

The Theory Of Social And Economic Organization

The Theory Of Social And Economic Organization