暗黒館の殺人

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

暗黒館の殺人 (下) (講談社ノベルス)

第四部まで。とにかく冗長。早く読み終わりたい。
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ようやく読了。ネタバレあるので注意。
 「館」シリーズというのは要するにからくり屋敷なので、密室等の不可能犯罪のびっくりするような解明という筋はありえない。抜け穴がありましたで終わり。本格で不可能犯罪でないとなると、ほぼ叙述トリックしかない。しかし叙述トリックは、どういう叙述トリックかはともかく、何らかの叙述トリックだとわかってしまうと解明時の衝撃半減。だから密室とか容疑者の意外性とかでくるんで隠してやる必要がある。しかしこの本では、犯人や殺害方法は不明なだけで謎ではない。しかも随所に、叙述トリックでっせー、という示唆が散りばめられていて、途中でどんな種類のものかまでわかってしまう。あと長い(1300ページもある)ので、どういう叙述トリックか、たいていの可能性を読者は考えてしまって、真相が明かされても大してびっくりしない。あと解明後の「おさらい」が長い。この本がつまらないのはそういう理由だろう。しかし夢オチとは・・・


巻末の著作リストを見るとこの著者の本は1冊除いて全部読んでいることが判明・・・