2007-04-01から1ヶ月間の記事一覧

事象というのは具体的な出来事ではない

確率論では、「標本空間Ωでは、事象Aの起こる確率はpだよ」とかいう。 標本空間(sample space)は、「このサイコロを使う」とか「2回投げる」とか「表か裏かを見る」といった特殊な条件によって区切られる、まあゲームの場みたいなものだ。標本空間は、そこ…

準ひきこもり

N藤学兄のお勧め(?)に従って読んでしまいました(乗り遅れすぎですが)。 (ところでもう「準」はやめてあげてください。学兄が泣くから。) 樋口康彦,2006,「大学生における準ひきこもり行動に関する考察――キャンパスの孤立者について」,『富山国際大…

角ライダー

スカイライダーの主題歌で「ふーめつのライダー」(不滅のライダー)という一節があるが、なんとなくずっと「踏め! 角ライダー」だと思っていた。触覚が「角」なのかぁ、でも「踏め」ってどんな命令法やねん、と。えー、それだけです。 追記 スカイライダー…

ネーゲル「機械論的説明と有機体論生物学」

Ernest Nagel, 1961, The Structure of Science: Problems in the Logic of Scientific Explanation, Harcourt, Brace & World, Chapter 12 "Mechanistic Explanation and Organismic Biology," pp. 398-446 まあ、生命現象の物理化学的な機械論的説明が原理…

複雑性の縮減

http://d.hatena.ne.jp/takemita/20070423/p1 「責任者」が出てきたのでw。 「複雑性の縮減」については、現実と、一定の仮説からの演繹の間のギャップを埋めるものである点が重要です。「ほんとは」これこれこんだけの可能性があるはずなのに、「実際は」…

オフィスアワーお休みの件

《アドバイジーの学生諸君へ》 (といって誰がここを見ているのかという問題はあるが・・・他に連絡手段がないので) オフィスアワーを毎週火曜日5限(大体16:30〜18:00)にしておりますが、この日は三谷が学内の委員会出席のため、お休みとしま…

わかる、解ける、合格る!

公務員試験 スーパートレーニングプラス 社会学・社会政策作者: TAC公務員試験対策チーム出版社/メーカー: TAC出版発売日: 2007/01メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 1回この商品を含むブログ (2件) を見るこれがうわさの! 七夕さん、遠く新潟の地にも届…

パーソンズとポッペ

デニス・H・ロング先生曰く、 ジョン・ウィーナーの論文が1989年3月6日刊行のThe Nationに載った当時、それを読んだ。政治的で下品な悪口雑言の類だと思った。「左翼マッカーシイズム」のいい例だといっている人がいて、私もそれに全面的に賛同した。 Dennis…

ややこしい話を自分で訳して何とか理解するスレ

Sを何らかのシステム、Eをその外部環境、Gを適当な条件下でSがとる、あるいはとりうる、状態、特性、行動様式としよう。Eはこの件に関係するすべての点で一定であり、SにおけるGの生起にとってEの影響は無視できると、とりあえず仮定しよう(この仮定は最終…

さっき覚えた素敵な英語

There is more than one way of skinning a cat. 猫の皮を剥ぐやり方は一つじゃない。 (なんてことを!) 用途: 機能的等価物の存在を主張する際に用いる。 澱粉をつくらなくても自己維持できる植物が存在するとか、葉緑素がなくても澱粉を作ることのでき…

「通常3〜5週間以内に発送します。」

amazon.co.jpで「在庫状況」が「通常3〜5週間以内に発送します。」となっているのは、実質的には「在庫なし」という意味なのだが、これは何のためなのだろう。一方で、「現在、在庫切れです」という正直な表示もある。何が違うのだろう。確かに、現在は在庫…

てっきり

ホームズの「まだらの紐」を読んでいたら、 「僕はこの土地へ来るまえから、通風孔はあるとにらんでいた」 「まさか!」 「いや、ちゃんと知っていたんだ。あの娘の話のうちに、姉がロイロット博士の葉巻の匂いに悩まされたというところがあったろう? それ…

more or less 〜

「more or less」を「多かれ少なかれ」と訳すのは手抜き翻訳の典型である。例はいくらでも転がっているが、やはり『未開社会における構造と機能』から(別にこの訳書に恨みがあるわけではないが、いま読んでいるので)。 社会生命と有機体生命の類比にもどっ…

speak of 〜

英語文献で「speak of 〜」と出てきたら、「〜について語る」と訳す約束になっているようだ。逆に、訳書に「〜について語る」と出てきたら9割方「speak of 〜」の訳だと考えて間違いない。 しかしこの約束はまったく間違いなので、以後使わないようにしても…

»Luhmann«と書くには

ドイツ語の文章では頻出する二重山型括弧、»Luhmann«みたいなやつ。 おそらく押し方がわからないのだと思うのだけど、》Luhmann《みたいに全角で書いているのをよくみる。ひどいのになると≫Luhmann≪とかもある。「»」「«」をWORDで書くには、「言語」(下の…

雨後の筍

竹林に囲まれた京都大学の桂キャンパス(京都市西京区)のカフェに9日、タケノコ入りのカレーがお目見えする。尾池和夫総長自ら考えた新メニューの第2弾だ。 「かぐや姫セット」と名付け、食用の竹炭を使った菓子、竹製の器に入ったラッキョウで630円。…

ご挨拶

今年度より、新潟大学人文学部に助教として赴任しました(本日辞令をいただきました)。 これまでお世話になった皆様、これからお世話になる皆様、今後ともよろしくお願い申し上げます。 まずは簡単にご挨拶まで。